ヘラクレス3令幼虫(後期)の育て方

ヘラクレスオオカブトの幼虫(3令中期~後期)の育て方を解説します。

卵から孵化して6~9ヶ月経過すると、3令も後期となりサナギへの準備を始めます。

大きなものだと100gを超えてくるのがヘラクレスの特徴です。

体重の増加も落ち着き、体の色が黄色味を帯びてくるといよいよサナギへの準備となります。

この時期も、温度管理やマットの管理をすることで1年を通して、比較的容易に飼育していただくことが可能です。

本マニュアルをよく読んで注意しながら育てていきましょう。

準備するもの

①飼育用ケース(メス1500mlのクリアボトル、オス:コバエシャッター小)

3令の幼虫はどんどん成長しますので、ケースは大きめをご用意ください。
メスは1500ccのクリアボトル、オスはコバエシャッター(小)以上の大きさが必要です。
成長に合わせ、一頭ずつ飼育して行きましょう。

クリアボトル (1500ml)
コバエシャッター(小)

②マット(餌)

幼虫は栄養のあるマット(土)を食べて成長します。
発酵マット、またはきのこマットをご用意ください。
また、マットは水分量が多いと、コバエが発生しやすくなりますのでご注意ください。
マット交換は基本的に2カ月程度が目安です。

きのこマット

飼育環境を整えよう

直射日光を避け、22°C~25°Cの温度環境をご用意ください。
高めの温度だと幼虫が早く育つ傾向があります。
これ以外の温度になると、成長が止まったり、死んでしまう恐れがあります。

育て方のポイントは?

幼虫は土が合わなかったり温度や湿度に異常があると、幼虫は潜っていられずに土から出てくることがあります。
その場合は環境を見直し、整えてあげましょう。

基本的には2カ月程度でマット(土)交換を行ってください。
また、土の表面にフンが目立ってきたら、早めの交換でも問題ありません。

その際にフンを取り除いた使用済みマットも混ぜることで、幼虫の環境変化によるストレスを減らすことができます。 使用済みマットをフルイにかけてフン を取り除く)

もし、幼虫の成長が著しい場合には、ひと回り大きめの飼育ケースへ交換することも検討しましょう。

<マットの交換方法>

フルイ
コバエシャッター(中)

人工蛹室について

3令幼虫は蛹室という部屋を自分で作り、サナギの期間(およそ1ヶ月)を過ごします。
下記の場合は人工蛹室を作る必要があります。

①ケースの端っこに蛹室を作ってしまった場合

ケースが邪魔をしてしまい、つの曲がりのまま成虫になる恐れがあります。

②マット交換時や振動などで蛹室を壊してしまった場合

まだ幼虫の場合、再度蛹室を作ろうとしますが、体重が減少し、小さな成虫になる恐れがあります。

③マット交換時にすでにサナギとなっていた場合

もう自分では蛹室を作れませんので、羽化には人工蛹室が必要です。

人工蛹室は、園芸用スポンジをくり抜いたものをケースに入れ、少し湿らせて完成です。
(別途解説ページを用意)

園芸用スポンジ

よくある質問

幼虫は素手で触っても問題ありませんか?

優しく触れる程度であれば大丈夫ですが、幼虫になるべくストレスを与えないよう、手袋をすることをオススメします。

多頭飼育はできますか?

3令後期の幼虫は単独飼育をお勧めします。100gを超えるオスの幼虫は大きめのケース(コバエシャッター大)をご用意ください。ラクボックスワイドなどを使えば、でサナギの様子を観察することも可能です。

ラクボックスワイド
コバエシャッター大